設計主旨
緑のひろばでつながる多様なアクティビティ
本計画駅及び周辺をLRT、バス、タクシー、自転車、歩行者それぞれの交差するトランジットモール化し、それぞれが緑で緩やかに繋がることで多様なアクティビティを生み出す新しい通り/広場としての駅を提案した。
街に溶け込む緑のグラデーション
LRTを核となる施設とし、くつろげる所、遊ぶ所など様々な機能が複合する一体の緑地として敷地全体を計画した。それぞれの機能には異なる緑化率が設定されていて、敷地内を歩くと芝生の密度が変化しながら最終的には街に緩やかに緑が溶け込むようデザインした。駅と街の境界を曖昧にすることにより多くの方に気軽に利用していただくと共に、街の「シンボル」となる駅となって欲しいという期待が込められている。
まちとつながり広がる緑のベルト
吉備線全線の路面を緑化し、それぞれの駅から緑のネットワークを広げていくことを提案する。LRTの緑化には景観の向上の他、熱負荷の低減によるヒートアイランド現象の緩和や走行時の騒音を低減する効果があり、省メンテナンスで維持できる技術も確立されている。この緑のベルトから各駅に緑が展開し、さらに街へ繋がり広がっていくことで、地域の人々や来訪者に愛される「夢」のある駅となることを期待する。
コンクリート廃材のリユースによる環境負荷低減
芝生の密度を構成する外構材をコンクリート圧縮試験体やコア抜きによるコンクリート廃材と同サイズに設定し、全国から再利用を積極的に受け入れる計画とする。本計画をリユースの受け入れ場とすることによって、環境負荷低減の「提言」を全国に発信していく。
設計主旨
「混ざり合い・重なり合う大広間」
本計画は、学生生活の中心施設として、巨大ワンルーム空間の中に「学びの場」と「集い・憩いの場」を間仕切りのないオープンプランとして計画した。
ワンルーム空間は、南側から北側の「キャンパス・コモン」に向かって、床を1.6m掘下げ、全体をゆるやかなスロープ上の床として、同時多発的に起こる学生たちの活動を様々な場所から一望できるようにしている。
また、一番低い場所を、レストラン・カフェ・オープンカフェとすることで、建物内部からも「キャンパス・コモン」からも、自然に学生が集まれるような場所とした。
教室群は2階に設置して、下のワンルーム空間から分離した配置にしたが、1階の床を堀込むことで「キャンパス・コモン」から、この1・2階は、スキップフロアーの構成となっており、どちらへの行き来も簡便となるように計画している。
また、1階屋上の高さも低く設定したことで、「レストラン・カフェ」・「ルーフガーデン」が「キャンパス・コモン」から連続した一体の広場として利用できるように意図している。
設計主旨
美しい山の景色が広がる傾斜地への二世帯住宅の計画。
夏には調布の花火大会も観ることのできる、最高の立地条件。
あとはその魅力に素直に従うだけ。建物の形はすぐ決まった。
結果、完成したのが平面がVの字の建物。
2ヶ所の玄関は奥で共有のリビングダイニングに繋がる。
リビングダイニングは吹き抜けと大きな窓の空間。
四季の彩りが広がる贅沢な場所となった。
展望テラスは景色だけでなく、花火大会が観られる場所に計画。
室内とは全開口サッシで繋がっていて、大人数のパーティーにも対応できる。
もちろんワンちゃんのことも忘れてない。
緩勾配の階段は人にもワンちゃんにも登りやすい。
玄関土間には専用の洗い場も計画している。
設計主旨
待機児童の改善を目的とした認定こども園の計画。
敷地は車通りが多く目立つところにあり、特に園児の安全に配慮した建物が求められた。
本設計では採用いただいた設計コンペ案を一度白紙にし、
複数の保育関係者からのヒアリングを積み重ねながら計画を練っていった。
車道に面する北側は水遊びや泥遊びもできる奥行きのあるテラス。
雨の日でも園児たちが遊べる広い半屋外空間により、保育の質を高めている。
保育室は間仕切りのない横長のワンルーム。
季節に応じて家具で自由に間取り変更のできるフレキシブルな空間とした。
天井はデッキスラブ表しとし、開放的な天高とした。
屋上は天然芝の広場とし、園児たちが走り回れるスペースとした。
構造は125角のH鋼及び75角の角柱と、断面の小さい柱を採用した。
一般的な重量鉄骨造では出てきてしまう柱型が室内に出ない建物とすることで、
園児たちへの死角ができない計画とした。
また、調乳コーナーやトイレからも常に保育室が見えるよう工夫している。
設計打ち合わせや現場監理にあたり、毎週関東から大阪に通うことになった。
関東との文化の違いを感じながらも、ディテール検討の打合せまで行うことができ、
自身の糧となる経験も沢山できた。
また、当時は今よりさらに格安だった夜行バスとカプセルホテルにはかなり助けられた。